2019
10.03

オレンジのカツラをかぶってカボチャ大王か
何かに仮装した鶴瓶が、でたらめなステップを踏みながら誘います。
「買わないという選択肢はないやろ~」

これはまさに、ハロってる新しいグッズを見つけた時の
私たちの心境そのもの。
いままでのオータムジャンボが、今年は「ハロウィンジャンボ」「ハロウィンジャンボミニ」と
名を変えているのを見ても、やはりその心境になります。

主催者がなぜ、このキャッチコピーを決めたのかは
知る由もありませんけれども、
ハロウィーナーとしては、これは正しい。
あからさまでありながら、ドンピシャの正統なのです。

長年集めてきた、ほとんどは二束三文のハログッズを、
まとめて展示する機会もそのうちにありそうな、なさそうな。

19hallo.3cats

抽選は10月30日。31日ではないところが、ミソか(晦日)。

2019
10.02

昨日の続きで、坪内稔典さんことネンテンさんの『季語集』(岩波新書2006)より、もう一題。

蝙蝠(こうもり)であります。

蝙蝠は夏の季語なんですね。秋ではないのです。

季語のエッセイから引用します。

 “「ひともしごろ」とは夕方の明かりをともす時刻である。今の時期、その時刻には蝙蝠がさかんに飛ぶ。夜の世界から来た感じで、蝙蝠はちょっと不気味だ。…略…
ひともしごろとは、昼間の人間の時間から、魑魅魍魎の支配する夜の時間へ移る境の時刻。そんな時刻に灯された灯は、不安な夜をすごす人間の心のよりどころだった。”

そう、このように、まさにハロウィーン的な書きぶりです。きっと蝙蝠は世界中で夏の終わりに飛んでいるのでしょうけど。ハロウィーンも本来は、夏の最後の日なのですから、ギリギリセーフ。

掲句は、

蝙蝠やひるも灯ともす楽屋口
          永井荷風

蝙蝠や天のゆふべのおほらかに
          山口誓子

19koumori-cup

2019
10.01

たんぽぽのぽぽのあたりが火事ですよ
坪内稔典

といった、どこかハロウィーン的な言葉の遊びが楽しい
俳人・坪内稔典さんことネンテンさんの『季語集』(岩波新書2006)に、
「ハロウィーンと亥の子」と題した短い文章があります。引用します。

“…日本にも同様の行事がある。陰暦10月の最初の亥の日に行われる亥の子。やはり収穫感謝祭であり、一般的には亥の子もちをついて祝う。
 私の育った村では、子どもたちが石を縄でくくり、歌をうたいながらその縄を引いたりゆるめたりして家々の地面を打った。そして、蜜柑や菓子をもらった。もらいが多いと「ここの屋敷はよい屋敷……」と唱え、不満があるときは「ここの屋敷はボロ屋敷……」と叫んだものだ。”

プロフィールによると、育ったのは愛媛県の村のようです。
亥の子餅は玄猪餅(げんちょもち)ともいわれ、
中国から伝わった無病息災の風習です。
特に珍しい素材が入っているわけではないので、
普通にあんこをくるんだ白いお餅でもいいのかなと思います。
お店などではイノシシの子どものウリ坊風の筋を入れてかわいらしくしていたりしますが、
ハロウィーンと引っかけてキャラクター化は…おそらく、していないでしょう。

ともあれ、ハロウィーンは秋の季語になっていたのでした。

ネンテンさんが選んだ掲句は、こちら。

ハロウィーン百のかぼちゃが声あげて
屋部きよみ