2006
10.24

ざわざわざわざわ、ざわざわざわざわ、
化け物どもが騒ぎ出す、十月末の風の宵、
モンスター・バグも浮かれ出す。

普段は大人しいモンスター・バグ、
少しも動かず物言わず、
そいつが一世一代の大決心。

「じっとしているのはもう嫌だ、広い世界を見てやるぞ!」

s-monster1

素早く動く長い脚は 切りたて新鮮オニオンスライス、
ぐっと見据える緑の目は 香り芳しき瓶詰めケーパー、
丸く平べったい胴体は こんがりジューシーハンバーグ。
ケチャップの血糊に塗れながら、
自由を目指す モンスター・バグ。

ああ、しかし、冷酷無惨な運命が突如モンスター・バグに襲い来る。

「た、助けてえ!」

s-monster2

いかにモンスター・バグといえど、運命からは逃れられぬ。
巨大なバンズにはさまれて、
哀れ、モンスター・バグの命運は尽きたり。 
せめて手向けに、チーズとレタスを。 (ナルシア)

「あーおいしかった」(マーズ)