2004
10.01

メアリー・ポピンズのシリーズ第4作、「公園のメアリー・ポピンズ」には
楽しくってうきうきする、ハロウィーンのエピソードが
登場しています。

バンクス家の子どもたち、ジェインとマイケルは、
ハロウィーンの夜、影たちの、そう、自分たちの見慣れた影が
逃げていくのを追いかけて、公園の門をくぐります。

「なんのパーティー?」と、マイケルがききました。
「きょうは、ハロウィーンだろ。」マイケルの影がいいました。
「影が、みんな、自由になる晩なんだ。それに、こんやは、
また特別なんだよ。だいいち、満月だろ─そして、
ちょうど、お誕生日のまえの晩なんだ。だけど、さあいこう、
おくれないほうがいいよ!」
(引用)

公園のなかでは、「マザー・グース」の楽しい世界が
しゃべりだして踊りだして、大にぎわい。

いったい、だれのお誕生日の前夜祭だったでしょう?
それは、ここだけのお話ですが、あの、
メアリー・ポピンズそのひとのお誕生日の、イヴだったのです。
しかも、メアリーの影だけは、かかとにピッタリくっついているのです。

なるほど、彼女なら、ありそうなことですよね。

「公園のメアリー・ポピンズ」著者:P・L・トラヴァース / 訳:林容吉 / 出版社:岩波少年文庫