2014
10.04
10.04
近年はTVドラマでも、あたりまえのように
ハロウィーンの光景が登場するようになりましたね。
一昨年の十月始まりの秋ドラマ
『ゴーイング マイ ホーム』は
TVドラマの枠の中に、通常のTVドラマとは異なった
ゆったりとした時間の流れる不思議なドラマでした。
それもそのはず、脚本・監督が是枝裕和。
このドラマの翌年、カンヌの審査員特別賞を受けた映画
『そして父になる』のあの是枝監督です。
都会に暮らす大の大人が森に棲む小人を探す。
目に見えないものは、本当はやっぱりいない
‥‥のかもしれないけれど、
それでもその存在を感じてみたい。
小さな日常の場面を丁寧に積み重ねる事で
家族や様々な人々とのつながりを感じさせる手腕は
TVドラマとしては異質ながら、
じんわり、さすがの味わいでした。
十月はじまりのドラマでしたから、
第三話でハロウィーンがあります。
森のある田舎町のほうの場面で、
黒いポリ袋や色画用紙で衣装を作り、
子供達が文化住宅を回るという、
土着型トリックオアトリート。
このチープさにも、はっとするような現実味があります。
ハロウィーンはこれほど日本に定着したんだなあ。
ぺらぺらの黒いポリ袋をまとい、
夕闇の中で炎に照らされるヒロインの微笑は
まるで本物の魔女のチャームのようです。
(ナルシア)