2014
10.06

『万聖節の魔女』という物語の出典は、『イギリス怪奇物語』です。
今から、30年以上前に出版された本です。

この物語では、おそらく今から100年以上前のハロウィーンの夜が
どのようなものだったのかがわかります。
農民の暮らしの中に普通に魔女(ハロウィーン)が存在しているのです。

20世紀初頭、イングランド南東部に住む農夫は、ハロウィーンの夜に現れて、
人間や動物に魔法をかける魔女に備えて、日中はいろいろ忙しく働きます。

家や家畜小屋の窓という窓、出入り口に「コリヤナギの小枝(osier twigs)」を
置いたり、黒いニワトリの羽を犬の首輪や小屋につるしたりと、
魔女が入ってこられないように大忙しです。

なぜなら、コリヤナギや黒いニワトリの羽には魔女よけの力があって、
それを窓や戸口に置くと、魔女はそれを越えて入ってくることはできないと
信じられていたからです。

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農夫の家族たちは暖炉の回りに集まってみんなで夜を過ごしますが、
この日ばかりは樫の丸太が暖炉にくべられています。
普段使っている泥炭の匂いは、どんなに遠くからでも魔女にかぎつけられて
しまうからだそうです。また、戸口には魔女よけだけでなく、魔女のための
食事も用意されています。
空腹の魔女から魔法をかけられることを恐れているからです。

…第二夜へ続く(シィアル)