2001
09.11

シィアルの日記の補足?。
猫やにとって、ハロウィーンが特別なのは、きっと、それが
魔女と深いかかわりのある歳時記であることと、
同級生の3人が時を経て再び会し、
お天気猫屋(屋が漢字)という雑貨グループを作ったころに
ナルシア宅で催された、スーパーハロウィーンな凝り凝り宴会の
記憶につながるからではないだろうか。

その日のレシピは、いまもって猫やのハロウィーンに
燦然とかがやいている。
アメリカ南部が匂うようなハロウィーンの飾りもの(ほとんど手製)は
私たちの記憶のなかにしまいこまれている。

あの夕べ、私とシィアルがナルシアの家の呼び鈴を鳴らすと、
しばらくは何の反応もなかった。なぜか灯りすらない。
やがて、奥のほうから、ゆらゆらとゆれるロウソクの
灯りとともに、黒いショールを垂らした白い顔の魔女が
─それでもアメリカ帰りの魔女は以前より色黒だったのだが─
無表情にドアを開け、我々を導き入れたのだった。
玄関には、これもいまもって猫やに格納されている
カキのランタンが飾ってあったのは、いうまでもない。

( マーズ )