2007
10.28

☆ハロってるロマンス小説。

ロマンス小説のご本家、ハーレクインです。

塔に囚われた姫君を救い出す騎士、ときは10月下旬、という
わかりやすいのかわかりにくいのか想像しにくい
設定の、ヒストリカルロマンス。

主役の二人は幼なじみなのですが、意地を張って
なかなか自分の気持ちにすら気付きません。

前半は少し退屈しながら読んでいたら、
後半、ハロウィーンの日に幽霊騒ぎにかこつけて
敵の追い出し作戦を実行するあたりからアップテンポに、
けっこう面白いエンディングでした。

最後の最後に出てきた「あのお方」も、なかなか。

お城の猫に「よい晩だな、デクスター」と挨拶したのは
私のなかで名セリフに認定されています。

では、ハロウィーンの場面からご馳走の引用を。

広間中央の長テーブルは、枝燭台と料理や飲物の重みで
しなっていた。大きな林檎のタルトが、丸天井に向かって
甘い湯気を立ちのぼらせている。万聖節には欠かせない
小さな楕円形のソウルケーキのほかに、しっとりした茶色の
しょうが菓子や林檎のクリームもある。(引用)

ソウルケーキって見たことがないんですよね。

いつか機会があれば食べてみたいものです。

そうそう、続編(二人の子孫のお話)として、
『道化師は恋の語り部』も出ています。

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『ハロウィーンの奇跡』2006
『道化師は恋の語り部』2007
著者:トーリ・フィリップス
訳:古沢絵里
ハーレクイン文庫