2017
10.29
『バベットの晩餐会』の映画を、やっと観ました。原作は今年、読書会でも読みました。
デンマークのはずれ、ユトランドの小さな村に住む牧師の美しい娘たち。
歳月が過ぎ、
今では老姉妹となった二人の家に
革命の嵐が吹いたパリから逃げ延びてきた女、
メイドのバベット。
貧しい姉妹の元で無給のメイドとなったけれど、
元はブルジョワ相手の高級レストランで
コック長をしていた、バベット。
日々の食費をやりくりしながら15年近く暮らしていたバベットに、
思いっきり料理の腕を振るえるチャンスが訪れます。
その晩餐会のために、海亀からキャビア、高級ワインまで、
田舎の人々が想像したこともない食材を
取り寄せ、
下ごしらえしてしあげていくバベットの姿は、ハロウィーンの魔女もかくや、といったところ。
姉妹に不気味な悪夢さえ呼び起こします。だって、海亀だって届いた時は生きていたんですから。
その晩餐会の映像を観ながら、ハロ痛の魔女がこしらえたのは、適当きわまる
カボチャのスープでした。
心だけは、カフェ・アングレの風を吹かせて。
2017
10.25
黒猫には、ハロスイーツがよく似合います。
今年は買うまい、と思っていても、
やっぱりかわいい黒猫には負けてしまう。
どちらもおいしかったですよ。
マシュマロの袋は、下から開けてみました。
黒猫の口が裂けて、けっこう凝った個装が出てきます。
四角いマシュマロ2つ入り。
…いつか、こうやって毎年集めたハログッズを
一堂に展示してみたいものです。
2017
10.24
「トラさんトラさん」
「ゾウさんよ、1年ぶりだな」
「どうだい、上手くいったじゃないか」
「お前さんが鼻で引っ張り出してくれたからな」
「絵の中は辛気くさくていけねえよ、トラさん」
「まったくだ。で、今夜はどこへ行くね?」
「あんまり遠くへは行けないんだから、ここな博物館の隣の墓地にするかね」
「墓地に出るゾウ、なんつって。仮装して回る子どもらがビックリ仰天さ」
「それにしてもトラさんはうらやましいよ」
「何でだい」
「だってほら、今夜は柿色と墨色の祭りなんだろ。毛皮そのままじゃないかね」
「そういやそうだ。しかしワシは、カボチャのお化けは見たことないが」
「アタシだって、黒猫やらコウモリやら、普通にいるもんが
どうして怖いのか、わからんのさ」
「ワシらは偉い絵描きの筆だからな。見ただけで震え上がるさ。
そうすりゃ、またこの博物館に客が押し寄せるだろ」
「抜け雀ならぬ、抜けゾウに抜けトラ、ってね」
「どうもそれ、あんまし怖くねえんじゃないか」
「それじゃ墓場のやつらも、引っ張り出そうか」
2017
10.23
2016年に映画が公開され、今年のハロウィーンシーズンに
遅まきながら、DVDを鑑賞しました。
http://gaga.ne.jp/zombies/
監督・脚本は、バー・スティアーズ。
原作に忠実な、とんでもない二次創作の映画化ということで、
ゾンビとの戦闘シーンは手が抜けないし、衣装や美術も。
尺も短めなので、オースティンへの文学的なオマージュは
ほとんど影を潜めています。ただし、
「高慢」と「偏見」については、最後まで
あれこれこだわりを見せてくれていました。
エリザベス役は、リリー・ジェームズ。
ミスターダーシーは、サム・ライリー。
スプラッタ度は原作より少なめです。
ゾンビをやっつける場面は、ゾンビ側の
カメラアングルも多いですし。
お金持ちが武術を学ぶ先として、
日本が話題に出てくるのは面白かったです。
ベネット姉妹は貧しいので、中国でカンフーを学んできた、と。
武器の剣は、長い物は日本刀に似た形でした。
キャラクター的にリジー(エリザベス)は文句なし、
あとはもう、このダーシーが好みかどうか。
『高慢と偏見』の映像化には常につきまとう選択です。
それは、ご覧になって判断してくださいね。
個人的には、姉妹の父親であるベネット氏(チャールズ・ダンス)が
らしさを発揮する場面が1カ所しかなかったのは残念ですが。
『高慢と偏見とゾンビ』Movie