2020
10.25

おや、こんなところにいましたか。

昨夜はずいぶん遊びまわっていたようですね。

20hallo.streetbat.

ああ、なるほど。一番鶏が鳴いたから、巣穴へ帰れなかったと。

それにしても、こんな柱によく隠れましたねえ。

人間たちは気付きませんとも。

一番星が出る頃にはまた、
ビロードの翼をはためかせているんでしょう。

夜遊びは、ほどほどになさいませ。

まあ、ハロウィーンの当夜は無礼講ですけどね。

2020
10.23

そう、こんな秋の夕暮れ時には。

20hallo-evning

オレンジ色の残照に心さらわれて

ずっと昔に見た不思議な人のことを
思い出したりしている。

ほら、テーブルの上にはコウモリの影。

20hallo-batjuice

どこにいても聞こえる、あのかすかな
羽ばたきを
忘れたことは多分ないのだ。

ハロウィーンに魅入られた者には
ちょっぴり切ない夕べの風。

やがて訪れる、闇の匂いがする不思議な人は
わたしの額に冷たい印を付けてゆく。

黒猫よりもすばやく、
コウモリよりもせわしなく、
黒い薔薇のマントをひるがえして。

2020
10.22

地獄の沙汰もなんとやら。
地の底につづいている、誰かの腹の底。
ゴーストすらも吸い込まれる。

20hallo.sweet

隠れようとしたって無駄さ。
鬼たちには、ぜんぶお見通し。
震えている、あんたの心も。

20hallo.kyuuri

ハロウィーンの10月には
地底から躍り出てくる化け物たちが
いくら食べても食べきれないぐらい、
震える心が手に入るのさ。

だってほら、黒い暗い腹の底は
地獄の臭い風が吹く地の底へ
つながっているんだから。

2020
10.21

踊ろう跳ねよう
ルラッラララ ラララン
俺たちゃ盗賊10月団さ
(でもほんとうは女の子なの)

20cocco+neli.

踊ろうふざけよう
ルラッラララ トントン
だってハロウィーンの10月が
俺たちを怪盗の気分にさせるのさ
(でもほんとうは女の子なの)

20hallo-catbox

さあくすねて来よう
ルラッラララ シャンシャン
焼いたばかりの魚をガップリ
だぁれも見てない爪が鳴る
俺たちゃしがない盗賊10月団
(でもほんとうは女の子なの)

ああ10月
おう10月
踊ろう歌おう
ハロウィーンの歌を即興で♪

20hallo-konpeitou

2020
10.20

一年ぶりの遅いはじまりです。

というのも、森の奥でハロウイーンゲートを見つけた
魔女たちは、ついつい、オレンジと黒の不思議なトビラの向こうへ
ホウキごと踏みこんでしまったのです。

20hallo.origami

ある夏のはじめの宵に、ゲートはこんなふうに緑陰の奥から
誘いかけていたのです。

ほんの三日のつもりが、こちらの世界へ
帰ってくると、見なれた世界は10月の、終わりのはじまりでした。

魔女たちはおおいそがしで、
ハロウィーンの準備を始めているところです。

でもなんだか、思ってしまうのです。
帰ってきたこの世界は、ほんとうにほんとうの、
以前暮らしていた世界だったのだろうか?と。

2019
10.31

19hallo-boo

皆さま、ハッピー・ハロウィーン!
霊和元年も(あれっ?)、無事に楽しいハロウィーンを
迎えられましたか?

19hallo-coffee

え?そうですか、大変だったんですね~
まあ、お茶でも飲んで落ち着いて。

19hallo-tea

黒猫ちゃんが温泉気分のメープルティーですよ。

おや?こんなところにドアが。
入るんですか?やめておいたほうが?
19hallo-door

これはなんでしょうって?

19hallo-ogatamanoki

これ、オガタマノキの実なんですよ。
招霊の、木とも書く、アレです。
ご神木にもなっていたりします。

ほら、さっそく招かれたソウルがやってきました。
ソウルじゃない、ゴーストだ!

19hallo-ghost

それに、隣にいるのは――
メジェド様!?

打ち倒さないで~!!

☆☆☆

ということで、今年も皆さま、
魔女たちののろのろ運転(のろいではなく)に
お付き合いくださいまして、ありがとうございました!

ハロウィーン通信の魔女たちより、感謝のおまじないを
捧げます。

2019
10.31

19hallo-majonyumon

『魔女入門』石田紀佳(すばる舎2016)には
「暮らしを楽しくする七十二候の手仕事」という副題が付いています。

本の見返しには、こんなメッセージが。
「少し手間のかかることが
自分にゆとりを与えてくれる。」

香りのよいヨモギを摘みにいく。
さまざまな菜の花を食べてみる。
散歩がてらにできること。
身につけるものに落ち葉の色を移す。
酒粕でふくらむ旬の黒パン。

などなど、魔女のセンシティブな手仕事や感性が
季節ごとに、たくさん詰まっています。

石田さんの本を初めて知ったのは数年前。
雑貨系のイベントで手にしたのでした。

その時は、石田さんが自分を魔女と
例えていることは知らなくて、
本書を知ってから、「そうなんだ」と
うれしくなったことでした。

世界には、たくさん魔女が暮らしています。
ハロウィーンの10月は、
そんな魔女たちの影が、ちょっぴり濃くなって
月を眺めるまなざしが、いっそう深くなることでしょう。

魔女であるということは、
自分自身に正直である、ということ。
魔法が使えるからではなくて、
魔法を使っているかのように
感性豊かな暮らしをしようとしながら
生きること、なのだと思うのです。