10.21
ハロウィーンを楽しもう!
ハロウィーンのインテリアやお菓子を
エレガントに飾るクモの巣。
本物っぽいクモの巣の絵を描こうと思っても、
なかなか難しいですよね。
私は小学生の時、ホラーな絵の背景に
クモの巣らしいクモの巣の絵が描きたくて、
裏窓のクモの巣をスケッチしているうちに
面倒くさくなったおぼえが。
ところで、本物のクモの巣を
簡単にコレクションする方法があるそうです。
夏休みの自由研究に困った小学生の女の子が、
理科研究の指南本でみつけたのが
「クモの巣の標本の作り方」。
どうしてそれにしたの?
「だって、一日でできるもん!」
そういう理由ですか。
まず、綺麗なクモの巣をみつけます。
家主のクモを追い出し、網にくっついたゴミを取り除きます。
黒い画用紙に薄めた糊をまんべんなく塗っておきます。
クモの網にスプレー式の白いペイントをかけます。
糊を塗った黒画用紙に上手にクモの巣を貼付けます。
糊が乾いたら仕上げにスプレー式のクリアラッカーを吹き付けます。
彼女の自由研究は、最初におじいちゃんの家の
クモの巣を取払い、そのクモが新しい巣を
かける様子を順番に写真に撮って観察記録をつけ、
最後に完成品の巣を画用紙に貼って提出したそうです。
一日で新しい巣を作れるとはいえ、
クモもなかなか御苦労様でした。
そして彼女は気付いてしまいました。
うちの庭の楓とウバメガシの樹の間に張られた
直径80センチ程の見事な女郎蜘蛛の巣に。
「ああっ!すごい!キレイなクモの巣!」
こ、これは駄目っ!
(それがジョロウグモのコトワリですもの・ナルシア)
窓の外を御覧なさい。天空高く、煌煌と輝く十月の満月。
洋の東西を問わず、冴え渡る月の魔力は
美しく恐ろしい物語の数々を照らし出してきました。
今夜は日本の名作短編ホラーに登場する月をどうぞ。
それ(月)があまり明らかなので、
殆ど球状をなしているとは信じられないくらいで、
叩けばボアーンと音のしそうな、
薄っぺらな円盤か何かのような気がした。
‥‥横溝正史『かいやぐら物語』
ところが戸外へとびでたわたくしは一瞬
いすくんでしまいました。
中天にまんまるな物凄い月がかあっと輝いているのです。
わたくしはきょう迄あれほど逞しい月に出会ったことがありません。
‥‥西尾正『海蛇』
そのとき雲から月がぬけだして、ふさの顔が明るく浮き上
がって見え、正四郎は持っている盃をとり落しそうになった。
──あの晩の顔だ。
‥‥山本周五郎『あの木戸を通って』
すごいような月が真上にのぼって、広場の中は隅々まで見えるほど、
明るかった。
と、私は涸れた泉のほとりに、動くものがあるのを見た。
猫だ。
また数が増えて十匹あまりの猫が、青びかりのする毛皮をうねらせて、
泉のほとりをひっそりと歩いていた。
‥‥日影丈吉『猫の泉』
眩いほどの月の下、如何な惨劇がおきたのか、
未読の方は直に巨匠の筆になる物語をお読みになって下さい。
いずれも先日、昭和十年~二十年代の作品を収録した第二集の出た、
本邦の「怪奇と幻想」小説の決定版アンソロジー、
『日本怪奇小説傑作集2』創元推理文庫)に収録。(ナルシア)
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『日本怪奇小説傑作集 2』
編集者:紀田順一郎,東雅夫
出版社:創元推理文庫
『リテラリーゴシック・イン・ジャパン: 文学的ゴシック作品選』
→ 横溝正史「かいやぐら物語」
編集:高原 英理
出版社:ちくま文庫
『西尾正探偵小説選1』論創ミステリ叢書
→ 「海蛇」
著者:西尾正
出版社: 論創社
『おさん』
→ 「あの木戸を通って」
著者:山本周五郎
出版社:新潮文庫
『猫の泉』 (日影丈吉選集)
出版社: 河出書房新社
某アメリカ系コーヒーカフェでも、
ハロウィーングッズが元気です。
「わー、ハロってる、ハロってる」と
喜ぶ不思議な大人と子どもの一行。
胸を刺激する強いコーヒーの香りと、
オレンジと黒が元気なハロウィーンは、
南米の死者の祭をもイメージさせてくれます。
カボチャが笑う、キャンディボックス。
ガイコツがカタカタ鳴って。。
ガイコツ顔のミルクチョコとホワイトチョコが
入った、ハロ好きにはスペシャルな一点。
ここにも魔女はいませんでしたが、でも
ゲスト席にいるからいいか、なんて。
子どもたちに受けそうなお皿には魔女がひとり
笑っていましたよ。
いずれこのお皿でデザートを撮りましょう。
血のしたたるような、ね。
(マーズ)