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2月
25

去年見た里神楽の歌の一節に、
四方ふさがりの たかたか山なり…
というのがあって、耳にのこっていた。
数日前にもそのことを考えていたせいか、
朝がたの夢に出てきた。
峠の手前の急な坂を、せいいっぱい踏み込んで登ると、
向こう側になだらかな草の斜面があった。
そこで道からひょいと降り、丸くなって寝ころんでみた。
遠くの山は春の色をしている。
お日さまが当たって、これも神楽の場所の近くで聞いた、
「日の地」というのはこういうのだろうと思う。
でもなんだか落ち着かなくて息苦しくなり、
早々にあたたかい草地を後にした。
これほど仕事に凝りかたまった経験は初めてであった。
あった、と過去形で言っているのは、
今しがた、とりあえずの一段落を迎えられたからである。
たかたか山の尾根を歩いているのだろうか。