ベビーダンスと呼ばれる家具は、本来、親がごく小さい子どものために
買うものなので、少なくとも10才ぐらいになったら、
親の手で処分しておくほうがよいと思う。
うちの場合は親が処分せず、捨てる決心のつかなかった未婚の娘つまり私が、
おそろしいほど何十年も部屋に置いて、眺めては気を滅入らせていた。
ちなみにこの娘、ちゃんとした箪笥の類いを持っていない。
ベビーダンスは主に死蔵品の物入れとして使っていた。
買ってきて2年越しの棚を組み立てたので、ついにベビーダンスとの生活を
やめることを決意した。人生このままではいけないのだ。
一応母にも聞いたが、さすがに反対はされなかった。協力も。
そして昨日、扉のところにミッキーマウスの絵が入った(娘はミッキー好き
ではなかったが)ベビーダンスを二階の廊下から独力でガキゴキと
階下へ運び降ろし、階段下の角が曲がりきれなかったので
計画を一部変更して、広い裏口から出すことにした。
裏庭の門を出て、路上経由で回転させながら前の門から入り、いまは軒先で
来週の粗大ゴミの日を待っている。
自分でもよくやったというか、搬入をする時のパワーみたいなものが出た。
今回引き出しを抜いてみてわかったが、底がベニヤ板ではあるものの、
他のパーツは木で、けっこうしっかりしていた。
ベビーダンスのあった廊下には、白いラックと猫タワー、
木の椅子を置いている。
紙であふれている室内にくらべれば、ほっとする空間になった。
設計集団ピトリピコリの代表の方が以前書いていたように、
今いる場所で満足して暮らせるように工夫や努力をすることが
まず大切で、新しい建物以前の問題なのだった。
ずいぶん時間がかかったけれど。
春から並行して始めている仕事の資料(ほとんどが単なる経過記録)捨ても、
なんとか夏には終わらせたい。
5月
21