2014
08.29

☆ハロウィーン精神

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 ティム・バートンのパペットアニメ、「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」に教えられた、生きるための知恵。それが、ハロウィーン精神である。映画のなかで、一年中ハロウィーンを楽しむ彼らは、世界のどこかに「クリスマス」という、一年で最も偉大な聖なるお祭りがあることを嗅ぎつける。そしてそれを阻止し、ハロウィーンを一番にするためにサンタを拉致しようとするのだが、サンタ(正義)は手強かった。最後に彼らは、自分たちは決して善なるものではないけれど、自分たちにとってハロウィーンこそが最高のお祭りで、そこに関わることの意義をかみしめるのである。

 この世界にはクリスマスというメインストリームがあって、ハロウィーンが一番になることはないだろう。でも。しかし。大きな河はすばらしいけれど、もし魚だったなら、住むのは変化に富んで楽しい小川がいい。奇跡よりも、ささやかな魔法で癒されたい。ハロウィーンの夜にはクリスマスにはない馬鹿さわぎができるし、影のあるファンタジィがあふれている。それを好む者にとっては、現実の世界であれ内面の世界であれ、ネットのなかであれ、万聖節・ハロウィーン的な場所が、魂の聖域となる。

 大人になってもまだ、“どこか人とちがっている”ことを自覚してしまった人たちの、生きるための知恵、それがハロウィーン精神なのだ。

nekoya