2006
11.01
11.01
恐怖の一夜が明けると、
彼らはどこへ行ってしまうのでしょう。
屋根裏にも、庭木のてっぺんにも、
分かれ道にも、
戸棚のなかにも…いない。
チカチカと光っていたのは
彼らの金色の眼ではなく、
もうすぐ沈む雲間の月なのでした。
ああ、彼らはもう、
次の季節には似合わない。
白銀のブリザードは、彼らには強すぎる。
晩秋のそこはかとない寂しさだけが、
彼らと私たちとの接点。
闇を飛ぶコウモリの翼に乗って、
彼らが落として行ったプレゼントも
見えなくなってしまいました。
でもまだ、ほんの少しだけ。
彼らの痕跡が残っているのではありませんか?
ほら、あなたの唇が少し…スパイシィに
笑っているのは、彼らと親しくした名残り。
きっとまだ数日は、彼らと波長が合っているはず。
* * *
それでは、来年のハロウィーンまで、
おやすみなさい。良い夢を。
(※山口にて)