2014
10.31

ハロウィーナーの皆さま&猫さま

2014年もハロウィーン通信を
ご一緒にお楽しみいただけたことに
深く厚く感謝いたします。

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なんと、怒濤のハロウィーンだったことでしょう。

ハロ通サイトの引っ越しは、
これまでの場所が容量いっぱいになった
ことから、技術面を一手に操るシィアルが
魔法をふるってくれました。
悲願のリニューアルがお披露目できた
今年のハロ通でした。

じつは
まだつづきます。
万聖節が来るのに、ネタが終わらなかったのです。

――ハロウィーンに感染した三魔女より

2014
10.30

魔女が贈る今年のトリート大賞は
(今年だけかもしれないけれど設定)、

「ひとくちプッチンプリン」
by グリコ!!

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シーズンも終わり頃になって気づいた
コンビニのスマッシュヒット!

やはり老舗の矜持といいますか、
おやつとして数十年の歴史を持つ
プッチンプリンだからできる
余裕の遊びごころが、魔女の胸に
響くのです。

外袋もかわいいし、
「HAPPYを分けあおう!」
というキャッチフレーズが泣かせます。

しかし、中味を見て、スイッチ押されまくり。

6個のひとくちプッチンプリンが連なっていて、
それぞれ蓋のデザインが違う!
ハロキャラの魔女、黒猫、カボチャ、コウモリ、
ゴーストにゴーストハウス。

そして、デフォルトのキャラクターを取り巻く
ように書かれた言葉は、

「TRICK OR PUCCHIN」

久しぶりの懐かしい甘さが、
とてもおいしく感じられたのは
いうまでもありません。

(マーズ)

2014
10.29

トルーデおばさんという魔女が、
グリム童話集に登場します。

この魔女は、どこかおっちょこちょいで
憎めないようないたずらをする
そのへんの魔女とは違い、
真性の悪魔女です。

短いお話ですから、どうぞおつき合いください。

あるところに高慢ちきで親の言うことを
聞かない娘がおりました。

そして好奇心から、勝手に訪ねて行って
しまったのです。
悪い女として定評のある、トルーデおばさんの家へ。

その家に入るなり、娘は後悔しますが、
震えている理由をおばさんに聞かれると、
途中で見てきた怖い人の話をして
おばさんに、それは炭焼きや狩人や肉屋だよと
言われます。
でも最後に見た怖い人は、この家の窓から見えた、
頭がぼうぼう燃えている悪魔だったと娘が話すと、
トルーデおばさんは
「それじゃあ、魔女が本式のおめかしを
しているところを見たんだね。
あたしゃ、ずっとお前が来るのを待ってたのさ。
さあ、照らしておくれ」

と言うが早いか、娘を丸太に変えて
暖炉にほうり込みました。

炎が回り、あかあかと燃える丸太に手をかざして
おばさんはうれしそうに言います。

「なんて明るいんだろうねぇ」

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トルーデおばさんは娘の魂の明かりで
冷え切った魂を温めたのでしょうか?

おばさん、おばさんもひょっとしたら
若かりし頃、高慢ちきで好奇心いっぱいの娘さん
…だったのでしょうか?

(マーズ)

2014
10.28

わたしは6さいのとき
とてもこわいおはなしをよみました。

せかいでいちばんこわいおはなしだとおもいました。

それからわたしはもっとこわいおはなしをよみたくて
つぎからつぎへいくつもいくつもなんねんもなんねんも

──何百話も何十年も怪奇な小説を読み続け

それでもやっぱりあの
「さるのて」というみじかいおはなしが
せかいでいちばんこわいおはなしだとおもいました。

タイトルを聞いただけでぞっとした方も多かったでしょう。
六歳の私が読んだのは怪奇小説の古典中の古典、
ジェイコブズの『猿の手』だったのです。
三つの願いが思いがけない形でかなえられる、
あの恐怖の物語です。

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六歳の私は怖い話も好きでしたが、
同時に「めいたんてい」が「こわいじけん」の
「なぞとき」をする話も大好きでした。

超自然としか思えない出来事に
震え上がる怪奇小説のミステリー。
超自然としか思えない出来事に
合理的な解釈を与える推理小説、ミステリ。
長年、ミステリアスな謎に浸りながら、
一方で謎を解くのを楽しんできました。

それにしたって、こんな事は思いもよりませんでしたよ。
怪奇小説の傑作『猿の手』を名探偵が「なぞとき」してしまうなんて。

「そう。最後の願い事が間に合うたからな。それまではドアの向こうに──」
「アリス。お前、何か解釈を間違ってないか?」
彼は持ち上げかけた右手を虚空で止め、怪訝そうにこちらを見ている。解釈を間違っていないか、だと?こんなストレートな物語を、どうやったら誤読できるというのか。

『猿の左手』 著:有栖川有栖

本当に、何を考えているのだ、
英都大学社会学部・助‥‥じゃない、准教授、
臨床犯罪学者と呼ばれた名探偵、火村英夫先生!

いや、この場合、とんでもないのは作者ですね。
ほんまに、何考えてんねん、
和製エラリー・クイーンと呼ばれた本格推理作家、
アリス‥‥じゃない、有栖川有栖先生っ!!

これだからミステリ者は油断なりません。
気持よくお馴染みのシリーズものを読んでいて、
小説そのもののアイデアでもトリックでもなく、
こんな方角からびっくりさせられたのは初めてです!

とりあえず、『猿の手』を傑作ホラー小説だと確信している方は
火村とアリスの『猿の手』問答を一読してみてください。
古典の価値はそのままに、別視点から作品を「解読」する事ができます。

『妃は船を沈める』
(著:有栖川有栖 光文社 カッパ・ノベルス 光文社文庫)
収録の『猿の左手』中にあります。

「めいたんてい」がおしえてくれても
それでもやっぱりあの「さるのて」というみじかいおはなしは
せかいでいちばんこわいおはなしだとおもいます。(ナルシア)

『猿の手』(著:W・W・ジェイコブズ)
 怪奇小説傑作集 1 英米編 1 (創元推理文庫) 等に収録されています。

2014
10.27

ある秋の初めの日、シィアルが興奮して
報告してきました。

ハロウィーンにぴったりな風景に
出くわしたのだと。
それは通りがかった道路の工事現場に
あったというのです。

工事途中の道路で、ライン境界代わりに置かれている
コーンがありますね。あれも最近は動物や
小動物などのキャラクター化しています。

シィアルによると、その現場では
延々とうさぎが並んでいるのに、
一カ所だけ、「たぬきが
まぎれ込んでいる」と言うのです。

仮に千羽のうさぎがいるなら、
その途中に一匹だけの、正確には2匹で
1対なので、2匹のたぬきが、いるのだと。

行ってみました、工事が終わらないうちに
撮影しておかなければと。

延々と続くコーンの列に沿って
車で何度も往復して撮影したものの、
逆光でうまく撮れたとは言えず、
不本意な結果に終わりましたが。

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しかも、シィアルがうさぎと思っていたのは
レッサーパンダだったのですが。

たぬきは、確かに、たぬきでした。
目の周りは黒く、妙なおどけ顔をして。

誰のしわざなのでしょうか?
もしも人間のしわざなのだとしたら、
たぬきコーンをまぎれ込ませたのは、よほど
ユーモアと勇気のある人でしょう。
そして、ハロウィーン精神のある人。
何くわぬ顔をして、延々とつづく同じ顔の
レッサーパンダの列に、おどけた顔の
たぬきを、置いた人です。

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(マーズ)

2014
10.26

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1950年代のほとんどを費やして、
イギリスの子どもたちが慣れ親しんでいた遊びや行事、
そしてその時に歌われる歌や言葉を調査した本です。
『子供の四季-イギリスの祭りと行事』本書の
調査対象の中心は70校の小中学校で、教員と15000人もの児童生徒
だったそうです。

本書に収められているのは、原書の”The Lore and Language of Schoolchildren”
から、第12章の”Children’s Calendar”、しかも大人が演出したものは
含まれず、あくまでも子供たちの間で自然に受け継がれてきたもの
ばかりだと、解説に書かれています。

この本のなかに、10月31日のハロウィーンが登場します。
14歳の少女による
カブのランタンの図と作る手順も書かれています。
日本の丸いカブでなく、ちょっととんがったカブなんですね。

ただし、解説以外はすべて英文なので、
細かいところは辞書を引き引きでないと
修業の足りぬ魔女にはわかりません。

Hallowe’en the nicht o’teen,
Three witches on the green,
Ane black an ane green,
And ane crying ‘Hallowe’en’.

Airdrie

こうやって魔法の呪文めいたライムを
勝手に口ずさみながら、10月の宵を過ごすのも
豊かな時間なのだなぁと思いながら。

別売りのカセットテープもあるそうですよ。

『子供の四季-イギリスの祭りと行事』著者:イオナ・オウピィ&ペーター・オウピィ夫妻
出版元:鶴見書店1978 ※テキストは英文です

2014
10.25

以前、ハロウィーンで際限なく盛り上がるアメリカの地方で、
「これは宗教的な意味のない、楽しむためのお祭りだからね!」と
敬虔なバプチスト(プロテスタントの一派)の友人が言いました。

日頃は信仰厚き人々が、突然罰当たりな格好をする訳ですから、
異教徒の私に言い訳、ではなくて、念押しをしたのでしょう。
いやあ、申し訳ないくらいだけれど私達の場合、
聖誕祭ですら、楽しむ事しかしませんので。

あれから十年以上が経ち、今や日本のハロウィーンは、
まさしくアメリカ伝来のコワ楽しい秋のお楽しみとして定着し、
ビールやパチンコまでがハロウィーン仕様になっています。

先日から始まったTVの新ドラマの第一話でも、
仏教系男子高校の校長先生が言い放ちました。

「クリスマス会もハロウィーンも、
 フツーにやるし、フツーに盛り上がるっしょ?」

(『ごめんね青春!』脚本:宮藤官九郎 TBS系 日
曜夜九時)

一方、「ハロウマス(万聖節)」をきちんと祝うカトリックの地域では、
その前夜であるハロウィーンの過ごし方もアメリカとは異なるわけですが、
びっくりしたのが、フィリピン!

毎年一族が墓地に集まり夜を明かす。
還って来る死者の魂を慰めるため‥‥

と、ここまでだとなんともいえず厳粛ですが、
お墓には花や?燭や故人の好物をふんだんに供え、
親戚一同で一晩中おしゃべりに興じ、
墓地には屋台が並ぶ盛況振りなのだそうです。
夜は墓場で大宴会?

あれ?なんとなく親しみを感じますね。

なにしろ我が国でも国中の企業や店舗が休業し、
故郷に帰る人々で交通機関が大渋滞を引き起こす
年間二大ホリデイのうちのひとつが、
先祖の魂が家に戻ってくる時なのですから。

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賑やかだろうなあ、フィリピンのハロウィーン、
まるで盆とハロウィーンが一緒にきたようだ!

(ナルシア)