2004
10.19
10.19
フェアリーを呼ぶために、魔法の呪文を借りてきました。
フェアリーなんかいない、と言い張る子どもたちがいるもので。
どこから借りたのかは、契約上言えません。
マタタビの粉とひきかえに、借りてきたとだけ
言っておきましょう。彼らの爪はコワイのです。
どんなフェアリーがくるのか
予想がつきませんが、12時ちょうどに
呪文をとなえながら、左回りに3度、くるくる回ります。
そして、フェアリーがやってくるとき
迷わないように、コワイ本をそっと開いておきます。
なぜかはわかりませんが、コワイ本はフェアリーの目印なのです。
1分、2分。
何も変化はありません。
風も吹かないし、音もしません。
12時3分、用意しておいたデジタルカメラのシャッターを
押してみました。
なにか、透明で、きらきら輝くなにかが、そこにいます!
猫族の守護フェアリーが、本当に呼ばれて
やってきたのでしょうか。
でも、あいかわらず、
眼には見えません。
ただ、12時10分になると、もう、
カメラには本だけしか写らなくなっていました。
そして、本のなかにはさんであった
猫たちの幸せを祈る子どもたちからの手紙が、
どこかへ消えてしまっていました。
(マーズ)