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Archive for the ‘出会い’ Category

1月
03

グリーンゲイブルズ

昨年だったのだろうか。それとも、一昨年からあったのだろうか。
よく通る道沿いの新しい団地の斜面に、
その家は見えていた。他の家々と並んで。
見上げるたび目にしていても、あまり本気にしていなかった。
見えているのは家の裏側なんだけれど、
ちょっとグリーンゲイブルズ風だな、ぐらいのことで。
それが、12月31日、ついに確かめてみたくなって、
えいっと車で団地へと入り込み、うろうろしながら
目的の、白い壁に緑の屋根の家を見た。正面から。
おお、これは確実に、アンの家が好きな人だ。
玄関のつくりも、全体の細部も、趣味は悪くない。
このご時世の日本で、おそらく建築士を入れずに
できる限りのことをやっているというのがわかって、
オーナーの熱意に、元気をもらった。
地元のアン好きに紹介しようと思いつつ。

4月
24

みどりの騎士

子ども時代のなつかしくもあきらめていた本と再会することができた。
「みどりの騎士」と「きいろい小人」。
昨日、児童書コレクターのAさん宅を訪ねた時のこと。家中いたるところに
本がたくさんあるのだが、階段のところに積んであった全集に、
思いもよらないタイトルが見えたのだ。
それは、ポプラ社の「ラング世界童話全集」全15巻だった。
すべて函入りでそろっている。
ある強い縁によって、彼女の手もとに来たのはずいぶん前のことだという。
彼女にとってこのシリーズの内容そのものは大きな意味を
持たないそうだが、訪れる予定の知人が興味を持っていたはずだと、
書庫から出してきて、ちょうどそこにあったのだ。
私もたびたびおじゃまするものの、書庫には一度しか入ったことがなく、
この本たちの存在を尋ねたこともあったとは思うが、
出会うには至っていなかった。
全部貸してくれるという申し出をありがたく受けつつ、
表題の2冊を含め、4冊を借りてきた。
あまりにも長いこと探していて、県内の図書館にもなく、
ネットでも最近は検索すらしていなかった。
私がこれらに出会ったのは、小学校の図書室。普通の教室を改造した
小さな図書室には全巻そろっていたかどうか、今はわからない。
みおぼえのあるタイトルもあるのだが。。
見れば、昭和38年の発行であった。
大人になってからも、あの図書室にしのびこみたいと
何度願ったことか。もちろん、今はもう廃棄されたことだろう。
ネット時代になってから、偕成社版のソフトカバーで
復刻されたのだが、挿絵を含め、ずいぶん印象は違う。
そのうえ、アンソロジーの組み方が変えられていることが
改めてわかった。
「みどりの騎士」に収められた物語の一番最後には、
こんな風変わりなくだりがある。
「ただ、このまま、すきこのんでくらしているかくれ家で、
気のむくままにさせておいてくれれば、それでいいのだとへんじをしました。」
何度も読んだこの本たちに、私はどんな栄養をもらったことか。
時に涙ぐむような表現が随所に見られる。
翻訳者は、川端康成と野上彰。
(※この日記は本のページにもいずれ転載します)

11月
22

pomera


携帯以外のモバイラーになることを拒否してきたが、
とうとう、必要になった。
そこで周囲に相談して選んだのが、ポメラ。
キングジムの電子事務機。つまり、テキストを打つだけに
特化したメモ帳のようなもの。
ただ、機種によっては、携帯でQRコード化したテキストを
読み取ることができるので、それをメールに貼り付ければ、
仕事先へ急ぎの修正やら追加やらが送れる。
これで、ちょっとしたニセモバイラーである。
ポメラのいいところは、起動2秒の手軽さ。
キーボードが折りたたみ式で、広げるとそれなりのサイズになる。
まだ慣れていないので、ミスタッチが多いが、そのうちには
慣れるだろう。
そして、女性のみなさん。
ポメラを使う時には注意すべし。
ヒラヒラした服を着ていると、キーボードを折りたたむ際、
開閉ボタンに服を咬み込んでしまう危険が、ちょっとある。
けっこうガジッと挟まってしまったら、引っ張っても
外れないのだ。私の場合はニットのカーディガンだった。
…なんとか、10分かかって外したけど。