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Archive for 10月, 2015

10月
20

天才に会う。

今夜、といっても日付が変わってしまったけど、

ひとりの天才に出会った。

今夜の仕事とは違うけれど、

私の担当しているインタビュー仕事の最終回は

この人だと、勝手に結論づける。

天才とは、あふれる才能を手にしながら

一生、のぼせ上がって生きていける人だと思う。

才能にのぼせるのではない、やりたいことと

いまだなしえていないことのはざまで、

もどかしさをかかえて、のぼせるのである。

 

10月
18

三日月の宵に

アビィと散歩しながら、呼んでみる。

夜風にまだ、夏の名残を思い出して。

もう一人の魔女を。

世界で一番風変わりなあの友の、

ささやくような、すばやい声を

耳に響かせながら。

 

10月
17

透明な日々

水色に透き通った秋の日が、つづいている。

途中、2日ほど曇った日があったけれど、

穏やかな秋晴れが、ずっとつづいて、少しずつ

夏は遠ざかっていくのだ。

去年の夏に感じていた奇妙な違和感が

何を意味していたのか、あの時にはわからなかった。

わからなかったからこそ、

去年の刺激的な秋があった。

 

今年のこの秋晴れは、私たち3人の魂を、安らげてくれる。

 

10月
10

秋風に

今年二度目のキンモクセイが香っている。

土から菌を採取して研究したノーベル賞学者の話を

したかった。

秋が深まりつつある。

10月
03

視界の向こうに。

隣町への往復に20年以上も車で通ってきた、高い土手と水路に沿った道。

その土手の向こうには大きな河があるのだけど、どんな風景に

なっているのか、このところ知りたくてならなかった。

そういう、何ということのない後悔を残していくと、

いつか大きな後悔になるように思える。

透明な秋の空気に暮れてゆく夕方、

車を停めて、土手をゆっくり歩いて上がった。

1本目の道を上がったら、そこはまだ河ではなくて

農地と家があり、さらに向こうの方に、

本当の土手があった。

そして数百メートル車を移動し、2本目の道を上がる。

そこにも農地はあったけれど、

大きな石垣をついたお宮があって、八幡様だった。

土手の向こうにあるとは、まったく知らなかった。

道に背中を向けている、土手のお地蔵様もお顔を見た。

土手の裾には秋草が赤や黄、白、紫に咲き乱れている。

この風景もまた、向こうにある本当の土手でさえぎられているけれど、

あと1か所、行ってみたい鎮守の森っぽいところが

あるので、近いうちに。

 

10月
02

夜道のクロネコ

何かを誘うように、夜道のまんなかに立ち止まって

こちらを見るクロネコ。

宅配便ではなく、魔女の使いの猫。

どこの魔女が寄こしたのだろう。

バックミラーを見ると、もういない。