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Archive for 2月, 2014

2月
09

またしても山

数年前に、年度末締切の長期仕事をかかえていた。
それが終わったころから始まった3年がかりの長大な仕事。
当初考えていた以上の割り当てをもらってしまった。
いよいよ締切が迫ってきて、予定では遅くとも
年度末までには仕上げねばならない。
住民ではないが関わりの深い町の町史をつづる。
謙遜でなく、こんな若輩者が携わってよいのかという悩みとともに
山の頂上をめざしている。
ただ、ここ10年ほどの、町を築いてきた産業との関わりのなかで
見聞きしてきたことや、新しく研究されたことなどの
近くにいたために、うまく書こうとしなければ、適任なのかも
しれないとも、思う。
地元でもそれだけ外向けに知られてないことが多く、
事情を最も知る人は、文章を書くのが苦手だという。
もちろん私の把握していないことがらもたくさんあるが、
おそらく把握されないまま終わるだろう。
20年以上前に、フリーで仕事を始めた時、
この産業に関わることには、社会的な貢献をしたいと
願ったし、できる限りのことはしてきたつもりだ。
その決意に従えば、断れない誘いだった。
40年以上にわたるできごとを書き残す今回の
町史の仕事が、私の力の及ぶ限りのことなのかどうか、そこが問題だが。
道を逆戻りすることはできないのだ。
キャラバンの一員となった以上は。
足許を踏み外さないように、進んでは休み、せめても
この荷物を良い状態で届けたいと願う。
頂上から眺める景色のことなど、考えずに。