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Archive for the ‘地めぐり’ Category

6月
18

天の川

田舎におりながら、一度もまともに見たことがない。
天の川を見ることから呼び起こされる、
さまざまな思考も感覚も、経験していないということ。
今週末、仕事で山へ行き、天の川を見る。
台風と梅雨の雲よ、まだ天の川は遠いだろうか私には。

10月
17

こだまする水

いまだに、知らないことが多すぎる。
と思わずにいられない。
県内の有名瀑布を、初めて訪ねた。
展望台はセンスがよろしくなかったけれど、
迫力のある異世界的な、ある意味中国的な
赤みを帯びた岩をうがつ滝を眺めるには良い。
遠い記憶のなかで、この滝を見たと思っていた。
しかし、バスに酔っていた子どもは、
途中の遊歩道であきらめ、引き返していたのだ。
ということも、知った。
それにしても、あれはまことに。。

3月
05

魔女と雪の山

思わぬ雪で、帰り道の高速道路が通行止めになっていた。
高速道路と絡みながら走る旧道も、けっこうな山奥で、
滑る箇所があると教えられた。
となれば、適度な時間で帰れる迂回路は、基本的に1本しかない。
県境の長いトンネルは、まだ雪にやられていないだろうか。
心配しても、行ってみなければわからない。
特別なタイヤもチェーンも、当然持っていない。
とりあえず、通行止めなどの情報が入ってないという
国道事務所の人の言葉を信じ、コンビニで食糧を入れる。
夜の雪山越えに挑んだ白いクルマには、魔女ふたりと、行った先で
買い求めた、2m近い長さの、白い棚ひとつ。
長いトンネルの手前までは、道路には雪がなかった。
周囲の森は、きれいに粉雪をかぶっていたけれど。
トンネルを抜けると、路上にも同じような粉雪が。場所によっては数センチ。
少し前に追い抜いて行った1台が残したわだちをなるべくトレース
しながら、40キロ以内に抑えて、ひたすら下り坂を進む。
人家もない道が続き、ふと見上げると星が出ていた。
きっと大丈夫だろう、いくらなんでも大丈夫だろう。
結果は大丈夫で、午前1時には帰宅したけれど、
あと1時間遅ければ、大丈夫ではなかっただろう。
そしてあの雪山を、あの夜遅く越えていった魔女のクルマは、
1台だけだっただろう。
予期せぬ冒険の相棒となった白い棚には、
どんなものが飾られるのか、楽しみにしている。
私の棚ではないけれど、相棒感は当分消えない。

12月
17

マチュピチュだらけ

山へ入れば、どこでもかしこでも、
石垣を連ねた山の斜面に出会う。
そこには段々畑や集落が生きている。
かろうじて、ではあったとしても。
最近たずねた隠れ里的集落は、
県内でも最大と思われるほどの
マチュピチュ度だった。
底から見上げる傾斜は、夏の終わりに西の島で見た
集落よりもなお、急な勾配で、しかも、家が多い。
まだ、こんなところがあったのか。
驚かされるものごとは、広い県内のそこにも
ここにも、生きてある。
今日出会った、日本で初めての貸し衣裳屋さんという
90歳を迎える御方には、年齢は仮の姿と教えられた。