10月
03
隣町への往復に20年以上も車で通ってきた、高い土手と水路に沿った道。
その土手の向こうには大きな河があるのだけど、どんな風景に
なっているのか、このところ知りたくてならなかった。
そういう、何ということのない後悔を残していくと、
いつか大きな後悔になるように思える。
透明な秋の空気に暮れてゆく夕方、
車を停めて、土手をゆっくり歩いて上がった。
1本目の道を上がったら、そこはまだ河ではなくて
農地と家があり、さらに向こうの方に、
本当の土手があった。
そして数百メートル車を移動し、2本目の道を上がる。
そこにも農地はあったけれど、
大きな石垣をついたお宮があって、八幡様だった。
土手の向こうにあるとは、まったく知らなかった。
道に背中を向けている、土手のお地蔵様もお顔を見た。
土手の裾には秋草が赤や黄、白、紫に咲き乱れている。
この風景もまた、向こうにある本当の土手でさえぎられているけれど、
あと1か所、行ってみたい鎮守の森っぽいところが
あるので、近いうちに。